申論題內容
3.人の話はそれぞれです。無口であろうと多弁であろうと、語り方が下手でも上手でも、ほんの些細
な一言のなかに、聞く者の心に響く言葉が必ず潜んでいるものです。でもそれが、決して「立派な
話」である必要はない。声の出し方、ちょっとした反応、表情、仕草、躇、照れ、熱意⋯⋯。オ
チもないような下らぬ話の隙間にも、その人らしさや人格が表れていて、そこに共感したくなるよ
うな、なにか小さな魅力があれば、それだけでじゅうぶんです。そして、そんな話をする当の本人
にとっても、自ら語ることにより、自分自身の心をもう一度見直し、何かを発見するきっかけにな
ったとしたら、それだけで語る意味が生まれてきます。(阿川佐和子『聞く力』文春新書より)